毒や薬への興味がわいてくる1冊

毒や薬への興味がわいてくる1冊

2021年1発目の投稿です。明けましておめでとうございます(遅)
年が明けてからあっという間に半月も過ぎちゃいましたがいかがお過ごしでしょうか?

さて、今日は以前より気になっていた漫画『薬屋のひとりごと』をやっとこ読めたのでその感想文を。お正月とも仕事のこととも全く関係ないですが、おもしろい漫画だったので書き留めておきたくなりましたので。

元々は小説投稿サイト『小説家になろう』で連載されていたお話のコミカライズ版です。私は小説は未読ですが、『次にくるマンガ大賞2019』で1位に選ばれていたところからその存在を知りました。

サムネイルの画像にもあるように、同時期に『月刊サンデーGX(小学館)』と『月刊ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)』の2誌で連載がされている漫画で、そんなこと他の漫画ではあまり聞いたこと無いよなぁーと感じたことも読みたくなったポイントの1つ。両方とも読んでみてそれぞれの良さがあったので、そちらについてはまた後ほど。

ストーリーはミステリー&ラブコメです。
物語の舞台となるのは、少し昔の中国を思わせるような架空の国の後宮(皇帝や王などの后妃が住む場所)や花街(遊女屋・芸者屋などの集まっている地域)。表に見える煌びやかな暮らしの裏で陰謀や権力争いが見え隠れするような場所を舞台として話が進んでいきます。この時点でとても心惹かれる世界観。

薬師を生業としている主人公の周囲で起こる謎の事件。作中での主人公のセリフに『世の中に不思議なことはほとんどない。不思議なことは大抵の場合、知識がないだけなのだ。』とあるように、謎に思われていた事件も全て科学的に解決してくれるので、なるほどなぁーと納得しながら読み進めていけます。

また、マッドサイエンティストのように自分の体を使って人体実験してしまうほど毒への好奇心が強く、その度重なる実験のおかげもあって造詣も深いので、私たちの生活のすぐ近くにあるようなものでも毒になりうることや、意外なものが薬にもなること、少しの工夫で効果が変わることなど、いろいろ知ることも出来るのが楽しいです。

例えば…

①チョコレート  →媚薬
②生姜と蜜柑の飴 →冷えを和らげる(熱を通した生姜:身体を温める作用、蜜柑の皮:血行促進)
③酒+砂糖と塩  →アルコールの吸収が良くなる
④小麦粉で爆発  →ある一定濃度で粉塵が大気中に浮遊した時に火花等に引火すると爆発を起こす(粉塵爆発)
⑤オゴノリ    →本来は毒があるが、石灰に漬けて無毒化することで美味しく召し上がれる

今のような西洋医学がまだ浸透していなかった時代にはこういった今なら簡単に手に入る身近な食材が、薬や毒としても十分に効果を発揮し、普段の暮らしにも根付いていたんだなぁーと、お馴染みの食材の知らなかった一面を見られるのが面白いです。知った翌日に誰かに話したくなるやつ。そんないつか使えるかもしれない豆知識も増やすことのできる漫画でした。

スクウェア・エニックス版は人物がかわいらしく描かれており、描き込み密度の高い絵です。どちらかというと各キャラクターの気持ちにフォーカスを当てて話が進んでいくためか、初見だと少しストーリーの流れがわかりづらく感じました。なので、事前に小説版or小学館版を読んでからの方がスムーズに内容を理解できるかなと思います。

小学館版はスッキリ整理された絵のため、キャラクターの表情やセリフが際立って見えるような感覚。要所要所に説明が付け加えられているので、事件のトリックの説明もスルッと理解できるわかりやすい構成でした。こちらはまだ小説を読んだことが無い私でも引っ掛かりもなくて読みやすかったです。

個人的には小学館版の理解しやすい構成&スッキリとした絵が見やすくて好みでしたが、どちらもキャラクターデザインは小説版を踏襲しており、両方読み比べてもどれがどのキャラクターなんだと混乱することは無かったです。

ラブコメ要素はおまけ程度?と私は感じたけれどどうなんだろう?
ドキドキと心拍数が上がるような抑揚のあるストーリー展開はないけれど、次々に起こる事件を解決しながらゆるりと進んでいくことと、読みながら得られる豆知識のボリュームも程良いので、心地良く読むことが出来ました。

いつかどこかでこの漫画から得た毒に関する知識を披露することがあるのか…その機会を虎視眈々と狙っておこうと思います。ふふふ…。

薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(月刊サンデーGX/小学館)
薬屋のひとりごと(月刊ビッグガンガン/スクウェア・エニックス)

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