ロゴが出来上がるまでの話 vol.5

ロゴが出来上がるまでの話 vol.5

こんにちは、空間デザイナーのナカザワフミです。
今日は先日納品させていただいた本田式さまのロゴが完成するまでのお話です。

1.本田式とは?

今回の依頼者である本田式の本田さんは、主婦であり、小さな娘ちゃんのいるお母ちゃんでもあり、そしてomusubi不動産の一員としても活動しながら、新しく個人活動としてこの『本田式』を始めたとのこと。とてもアクティブ!

自宅も近かったり同い年でもあったりと、顔馴染みのご近所さんとして以前から仲良くしていただいていたので、今回の活動を始めるにあたってのロゴなどいろいろ悩んでいると話を聞いた時、自然とスッと手を挙げ「なにかお手伝いします?」と私から声をかけさせてもらい、デザインさせてもらうことに(今更ですが、迷惑じゃなかっただろうか…?)

そもそも“本田式(ホンダシキ)”とは…

本田による助手活動「本田式」
できることをできる範囲でお手伝い

【現在の活動】
本田式クリーニング(風呂洗面トイレ等)/本田式販促助手/本田式制作助手/本田式網戸張替え/本田式司会などやっています。

・売上の一部を寄付します
・毎月本田式通信の発行

公式Instagramプロフィールより引用: https://www.instagram.com/honda_shiki

『日常のちょっとしたお困りごとを頼める存在になりたい』
『自分の出来ることで喜んでもらえる人、元気になってくれる人を増やしたい』

そんな想いから始めた活動との話を伺い、本田式ロゴのデザインをスタートしていきました。

2.まずはヒアリング

今回は直接お会いしてのヒアリングからまずは始めさせてもらいました。

活動を始めたきっかけとなる想いはあるけれど、具体的にこうしていきたい、周囲にはこう感じて欲しいなど、まだ気持ちがこんがらがってまとめ切れていない様子でしたので、『好きなこと』や『今までこんなことしてきたよ〜』などを思いつくままにざっくばらんにお話していただきました。

どちらかというと雑談に近いですが、この方が本音まで聞けているような気がするので、なるべく肩肘張らず自由に話してもらえるように伺っています。

3.聞いたことをラフ案へ落とし込み

ヒアリングの際に伺った内容で、私の心に留まったことは下記のことでした。

・身近な人を助けていきたい
・隙間を埋める人(喪黒福造)、スポットの人手として
・みんなハッピーになって喜んでもらいたい
・自分じゃなくなりたい願望、何か1つに染まってしまうのがちょっと怖くもある
・好きなもの:シンメトリック、スタイリッシュ、暗号、見やすいもの、スピード感
       一輪挿し、幾何学模様、箸置き、家紋、対のもの
・苦手なもの:自分自身を飾ること(アクセサリー着けることなども苦手)

企業のロゴではなく個人活動のためのロゴなので、あまり堅苦しくなり過ぎないように気をつけつつ、『このロゴを見た人も本田さん自身も元気が出て明るい気持ちになれること』や『親しみやすさ、頼みやすさを感じること』を頭の中に置きながら、方向性を決めるためのラフを思いついたままに自由に書き出していきました。

『本田式』の表記の仕方を漢字、ひらがな、カタカナ、英語のどれにするかはまだこの時点では決めかねていたため、いろいろパターンを作ってお見せしています。

どれもこれも自信作だけれど、果たして本田さんはどれを選んでくれるのか…?

4.ラフを確認してもらい、ベースデザインが決定

悩んでもらった末、このロゴを元に進めていくことを決定していただきました。

イラストのモデルはもちろん本田さんご自身。いつも身につけていてトレードマークにもなっているピンク色のキャップも忘れず添えて。
助手活動ということから、ピンチの時に颯爽と現れるヒーローが思い浮かんだので、首元に巻いた長いスカーフがはためくようなイラストにし、躍動感と頼りがいのある雰囲気を出してみました。

また、ラフを考えながら思い浮かんだ『助っ人稼業』という言葉を別案で使用していたところ、こちらも今後の活動内容を表現するのにしっくり来た!と気に入ってくださったので、選んでいただいたイラストロゴと助っ人稼業を合体させたデザインで進めていくことになりました。

さあ、ベースのデザインが決まったのでここからブラッシュアップ開始です。

5.文字の表記の仕方と顔の向き

先程のベースデザインを元に、まずは文字の表記と顔の向きを決められるように次のラフを制作。

顔の向きについては、

・左向き:過去を振り返っている、自分の内面を見つめている、受動的
・右向き:未来を見つめている、外に向かっていく、能動的

…と、それぞれに違う意味が込められます。好みやバランスで選ぶのでももちろん問題ないですが、今後の活動内容や気持ちに添うものの方が良いと感じ、確認させてもらいました。

文字の表記の仕方についても、

・漢字:信頼感、きっちりした印象
・ひらがな:多くの人が読める、曲線が多いのでやさしい印象
・カタカタ:多くの人が読める、軽快で活動的、スポーティな印象
・英語:若々しい、POPな印象

…と、こちらも同じ読み方でも視覚的に受け取る印象が変わってきます。悩んだ時は『コアターゲットが読みやすいもの』や『このロゴを見た時にどう感じて欲しいか』などを考えながら選ぶと良いかなと思います。

いろいろと検討していただいた末、『これまで経験してきたことを踏まえての活動であることから顔の向きは左向きでスカーフは右へとなびいているものにしたい』『コンセプトでもある式は漢字、本田も漢字にし、カタカナでルビを入れたい』との返答をいただきました。

今までの経験を大事にしながらも(左向きの顔)、次へと進んでいこうとしてる(右に向かってなびくマフラー)いるところが、本田さん自身の今の心境にも合ってるように思い、私もとてもしっくり来た選択でした。

6.選ぶフォントで印象も変わる

漢字やひらがなの違いだけでなく、選ぶフォントによっても印象のコントロールが出来ます。
下記はお見せしたものの一部ですが、キチンと感のあるものから柔らかなもの、POPなものまで、フォントの形によっても見た人に与える印象は随分と変わりますね。

7.目線とか表情とか

ほんの少しの目線の違いや表情の差もロゴの印象に影響してくる要素です。大事なお顔のイラストはずーっと見つめながら作業をしているといろいろと気になってきますね…。

▼こちらは目線を左向きから、ロゴを見ている相手を見つめ返すように調整したもの。

▼こちらは本田式らしい表情とは何か、いろいろと検証したもの。

8.そして完成

この他にも様々な検討を重ね、相談し合いながら完成したのがこちらのロゴです。

本田式でお手伝い出来ることのシンボルとして、お掃除のほうきと、キレイに仕上がった様子を表したピカピカの星マークを合体し、活動のコンセプトでもある『式』の文字に注目してもらえるような特徴としています。

その時その時の状況に合わせて柔軟に軽やかに対応していきたいという気持ちから、色は付けずにモノクロの線のみのデザインとしました。

『黄金比が好きなのでロゴにも取り入れたい』とのご要望もあり、各パーツの配置を1:1.618のバランスに当てはめつつ、文字とイラストがバラバラとした印象に見えないよう、全体を整えて、本田式のシンボルロゴが無事完成です。

これからの本田式の活動とと共に、様々な場所でこのロゴを見かけるようになっていったら嬉しいなぁ〜。
この度はご依頼いただきありがとうございました!


▼今回のクライアント
本田式 様(Instagram


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