デザイナーがデザイナーに名刺を依頼した話

デザイナーがデザイナーに名刺を依頼した話

こんにちは、空間デザイナーのナカザワフミです。

毎回悩みすぎて手が進まない自分の名刺デザイン。
前回の名刺は自分でデザインを考えて制作しましたが、出来上がった時にはフリーになって4年の月日が流れていました。どんだけ悩むねん。

そんなわけで自分自身に関わることを決めるのがものすごく遅い。だからといってスッキリ頭の中から忘れられているわけでは無く、『あぁ〜やらなきゃなぁぁぁぁぁ〜』と心には引っかかっているのが厄介なところ。

なので今回は信頼のできる人に依頼しサクッと悩みを解決してもらおうと、友人でもあるデザイナーのかもゆうこさんに名刺デザインをお願いしました。

名刺の初回提案〜完成までのやり取りはTwitter上で公開してますので、こちらのブログではその時々で感じた私の気持ちをつらつらとしたためます。

かもさんに依頼しようと考えた理由

①一度デザインを依頼する側を経験してみたかったこと
普段はデザインの依頼をされる側ばかりなので、一度依頼する側も経験してみたかったことが一つの大きな理由。
どんな気持ちになるのかなと、とても楽しみでした。

②以前に『一緒に仕事をしてみたい』と言ってもらって嬉しかったこと

私もしてみたかったので1つ夢が叶いました。

③以前に所属していたオンラインサロン内での対応がとてもステキだったこと

以前、前田デザイン室の運営チームのリーダーでもあったかもさん。運営になるずっと前からサロン内の至る所にコメントを入れるなど、細かく全体を見て盛り上げてくれる人でした。困った時に声をかければすぐにいろいろ教えてくれるし、とても頼れる存在。

④悪ノリにも付き合ってくれる懐の深さ
ノリが良いんですよ、このお嬢さん。
名刺作成のやり取りをTwitterで公開しながらすることを提案したら「ちょーど考えてた!!」と秒速で返答が来ました。

⑤ちゃんと実績も公開してくれてたこと
実はオンラインサロン内ではかもさんのデザインをあまり見かけたことがありませんでした。
その分、かもさんのポートフォリオサイト『LEVEL99』とこちらの対談記事『NASU CREATOR’S DIRECTION』でたくさん公開してくれていたので、安心してお願いすることが出来ました。

以上の5つがかもさんにお願いしようと決意した理由。

特に③の細やかな対応と⑤の実績を公開することはとても大事だなと改めて感じました。
私も人間なので、スムーズで気持ちの良いやり取りを心がけてくれるなぁーと私自身が感じた人と関わっていきたいなと常々思っています。
そして、依頼する側になってみると「私はデザイナーです」と名乗ってるだけの方ではちょっと信頼性に欠けるので、実績公開をしていない人にはお金を払ってお願いする一歩を踏み出すことが私自身は難しく感じました。

同じデザイナーとして私も公開できる実績を増やしつつ、対応力もアップデートしてかにゃなぁーと、改めて身が引き締まる思いに。

初回提案を見せてもらった時の気持ち

初回でいただいた提案は4案。
なんだろう…『自分のために何かをしてもらう』ってとても嬉しいですね。
案を見せてもらった瞬間、画面越しにニヤニヤが止まりませんでした。

その中からD案の箱型案が自分では考えつかなかったのと、平面の状態でも機能しつつ立体にも組み立てられるところが、空間とグラフィック両方のデザインをしている私を表現するのにちょうど良いなぁーと1番グッときました。

そしてここでちょっとおねだり。
こちらの平面⇔立体の考え方で他の案も見てみたいと返答しました。
公開プレゼンだし紆余曲折あった方がおもしろいかなという打算的な考えも、もちろん少しあり〼(わがまま)

2回目の提案

まず、1回目の提案を見せてもらった後の私の返答の仕方が曖昧だったなぁーと反省。
かもさんは『D案をベースにブラッシュアップした提案』を3つ考えて出してくれたのですが、私が求めていたのは『D案のように平面⇔立体になる別のアイディア』でした。

随分悩んで提案してくれた様子だったし、私の正直な気持ちを伝えるべきかどうか一瞬悩みました。
でも、出来上がった名刺を『これ、めちゃめちゃお気に入りなんだぜ!』と、ドヤ顔で渡し回りたい気持ちが勝り、正直な気持ちを伝えたところ…

仕事が早い。ここまでのやりとりに10分かかってない。
せっかく考えてくれたのに申し訳ない気持ちがものすごくありましたが、ここで妥協する方が迷惑だろうなと思い、もう一度考えてもらうことに。

3回目…の前のそもそもの反省

少々お時間空きましての3回目のやり取り。
『悩ませてしまってるかなー?大丈夫かなー?』と思ってたところへこんなメッセージが。

ちゃんと営業しろ私

こういう連絡が入れられる人って案外少ないなーと今までの経験上感じてます。ちょっとしたことだけど、要所要所の連絡を欠かさないことも安心して依頼できるかどうかの地味に重要なポイントだと思うんですよね。

そしてそもそもの話、今回の名刺作成の目的などの共有を最初にしっかり出来ていなかったことをお互いに反省。
それに気付いたかもさんがこんな資料を用意してくれました。

資料をつくってくれたおかげで、自分の中の『こう見られたい』と、私を見た相手が『こう感じてる』ことがブレてはいないことを確認でき、すごく良いやりとりをさせてもらえたなーと感謝。
すぐ自分の方向性迷子になるので、こうやって客観的な視点を教えてくれるのはとてもありがたかったです。

その感謝の思いを込めて、いらすとやさんフル活用の返答をするなどしてみる私。

こういう時、いらすとやさんはいい仕事してくれる

そして3回目の提案

これを踏まえてかもさんはラフを5つ用意。作り込む前に相談してくれました。
たくさん考えてもらえたことが嬉しくて、またいらすとやさんフル活用で応える私。

そしてそしての4回目の提案

3回目の提案への返答を元にかもさんがいろいろ思いを込めた2案を見せてくれました。
…が、私に迷いがあるせいでイマイチ『これ!』と決めきれず…。

そろそろベースは決めないと申し訳なく感じていたので、かもさんにzoomでのミーティングのお願いを。
即答で快諾してくれて、数時間後に顔を見ながらいろいろとお話しさせてもらいました。

面と向かって話すの大事

『なんであんなに悩んでいたのだろう?』というぐらい話し始めて数十分でスルスルと方向性が決まりました。
『もっと早く話聞いてもらえば良かったわ、すまぬ』とも思ったけれど、タイミングが良かったのかしら?
ここで話したのは以下の通り。

◎形はほっかいしこう社さんの箱になる名刺で決定
◎必要情報の記載面はシンプルに
◎URLはQRコードにする
◎裏面でちょっと遊ぶ?
◎モノクロ+1色なにか使う?

zoom後の5回目の提案

ずーっと見てると未知の生物に見えてくるような特殊な形状なので、内容はシンプルにレイアウトしてくれました。
じわじわとまとまりつつある予感。

ほっかいしこう社さんに相談→衝撃の事実発覚

そろそろ終焉に向かって行きそうな気配を感じたかもさんは、こちらの箱名刺の制作をしているほっかいしこう社さんにフォーマットデータをもらえないか依頼。
4種類の形状があったのでどれで作ろうかの検証のために連絡をしたのですが、そこで思わぬ事実が発覚。

こちらとしてはバリエーションいろいろ作れて楽しいので、とっても嬉しい衝撃の事実!
ほくほくしながらお次は何色にしようかの検討へ…。

自分らしい4つの色とは?

現在の名刺が小口が蛍光イエローでとても気に入っていたので、当初は今回も蛍光色で考えてました。
その旨をほっかいしこう社さんに相談したところ『金額的にかなり高くなってしまうのでオススメできない』との返答が。ですよねぇぇぇ…。
その代替案としてほっかいしこう社さんが提案してくれたのが紙自体が蛍光色のものがある『マーメイド』という紙。めっちゃ種類ある。めっちゃかわいい色多い。(よだれ)

ただ、天面が開いている形状の箱名刺なので、表面は白、裏面は別の色にし、組み立てた時にチラッと色が見えると可愛いなーとこの時までは検討していました。その点、このマーメイドにすると紙の性質上どうしても両面とも同じ色に…。

悩んでハゲかけましたが、今回は蛍光色を優先し、マーメイドを使ってみることに決めました。

そして何色を選ぶか問題。
かもさんが色見本を取り寄せてくれたので一緒に見ながら検討することに。

この時たまたま、ほっかいしこう社の担当者さんにお会いする時間をいただけたので、いくつかの候補を見せながらインクとの相性なども考慮し、この4色に決めました。

打合せなどの仕事に関する面会の時は黒い服を着てることが多いので、このカラフルで鮮やかな名刺なら渡す時にとても映えそうだなと妄想。もうすでにこの時点でニヤニヤしてしまう。完成が楽しみ。

『ネオ』って言葉の響き、なんだか理由はわからないけど、とてもグッとくる

そして校正へ…

『QRコードが読み込めるかちょっと心配』との北海紙工社さんにアドバイスいただいたので、選んだ中で一番濃い色のマーメイドで校正を出してもらうことに。

1週間ほど待ち、校正が手元に届きました。いい感じーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

北海紙工社さんの撮る写真は美しくて毎度テンションが上がります

ついに完成!手元に届きました!

ついについに!2020年11月11日(水)ポッキーの日に、北の大地からできたてほやほやの名刺が届きました!
ほんの少しポコポコした手触りの紙質がとっても気持ち良い良い。封を開けてからしばらく、スリスリ触ってしまったことは内緒にしておこう。

平らな状態の名刺たち
組み立てた状態にすると待ち構えてる感の出る名刺たち

4色×4つの形状とバリエーション豊富なので、今後お会いする方のイメージに合わせて渡して行こうかしら?
全てコンプリート出来た猛者には何か粗品を用意しとかなきゃね(違)

これにて名刺づくり終了!の感想

自分もデザイナーでありながら他のデザイナーさんに依頼した結果、自分だけではたどり着けなかっただろう名刺を手にすることができ、とっても大満足!!!

ずっと気になっていた『他のデザイナーさんはどんな風に案件の進行をしているのだろう?』の疑問も、実際のやりとりの流れで体験できたことも私にとってもとても勉強になりました。(かもさんはやりづらかったかもしれないけれど笑)

そして、届きました報告をTwitter上に投稿した際、ほっかいしこう社さんがこんなことを言ってくれたのもとても印象に残りました。

普段はひとりっきりのフリーランスデザイナー。1人なことに特に不満も寂しさも感じることはないけれど、今回のように関わる人たちとチームとなって相談しながら進めていくのも楽しいもんだなぁーと改めて思いました。また何かチャンスがあれば、チームの一員となって進めてみたいな。


そんなわけで今回はこれまで!
デザイナーを生業にしている人は一度でも依頼側になってみると、また新たな発見があって楽しいですよー。
機会があればぜひチャレンジしてみてください!


▼初回提案〜完成までのやりとりはTwitterで公開してます。宜しければご覧あれ!

▼今回依頼したデザイナーさん&印刷会社さん

かも ゆうこさん(ホームページTwitterInstagram
ほっかいしこう社さん(ホームページTwitterInstagram

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