| クライアント:峯尾 喜一様
| 担当業務:デザイン
中小企業向けの経営戦略策定支援などのコンサルティング事業をされている峯尾 喜一様からのご依頼で、静岡県吉田町で鰻問屋を営まれている駿河淡水株式会社様のパンフレット制作のお手伝いをさせていただきました。
今回は以前から活用されていたパンフレットのリニューアルのご相談でした。
この度のリニューアルの大きな目的として『忙しい中でも商談前に読んでもらえること』を叶えたい旨をお伝えいただきました。また、駿河淡水様が特に大事にされている『国産鰻だけでなく、海外産鰻に対してもこだわりを持って仕入れていること』もこの新しいパンフレットから知っていただくこと、気に留めてもらえるようにもしたいこともお伺いし、こちらも念頭に置きながらデザインを検討することに。
以前のパンフレットは全体的に『和風』『日本風』なデザインでまとめられており、文章もそれにあわせて縦書きをメインに取り入れられていましたが、最近のビジネスシーンではどちらかというと横書きが一般的なことと、『マニュアルやカタログ、webなどの論理的な内容の文章の際は横書き』『小説や物語、新聞などの読者の感情に訴えたい場合は縦書き』を用いることがそれぞれ多いことなどをお伝えしながら、今回は横書きをメインとした構成で進めていくことになりました。
まずはパンフレットの顔となる表紙のデザインからご提案し、いくつかの候補の中から気に留めてくださった要素を組合せたこちらのデザインを選んでくださいました。
駿河淡水様の頭文字の『す』を鰻の細長い体のシルエットで表現したモチーフに、背景には波の文様にブルーのグラデーションを乗せて、鰻が深海から水面に元気良く上がる様子、未来に向かって進んでいく姿を思い浮かべながら、力強さと余裕を感じるようシンプルに、また、目に留めてくださった方との会話のきっかけとなるようにと、全体をまとめています。
表紙を開いた最初のページである1〜2ページ目はパンフレットの導入部分として、メッセージ性を強く打ち出すページ構成としました。元気の良さが伝わる駿河淡水様の活鰻の写真を大きく配置し、大切な日本の食文化を守り、次の世代へと繋いでいくことをミッションとしながら、鰻と日々向き合い続けているその想いを伝えられるよう整えています。
当初のご要望の中にキャッチコピーの記載は無かったのですが、より詳しいメッセージを読み進めたくなるためのきっかけとして、私の方から提案し、ご採用いただきました。
次のページでは、駿河淡水様の強みや、これまでの経験などが伝わりやすいように見開きでまとめて掲載しました。ご提出いただいた各項目の文章量に差があったため、バラバラとした印象になってしまわないよう、関連する項目の近くに画像を配置しつつ、全体的にバランス良く見える配置でご提案させていただいています。
パンフレットの〆のページとして、鰻文化と資源を守るために続けていることや、直営店舗のご紹介などの情報をこちらにまとめました。お取引先様と同じ目線で会話の出来るビジネスパートナーで居続けたいという駿河淡水様の姿勢を、このページからメッセージとしてお伝え出来るよう検討し、全体を整えていきました。
取り扱う活鰻の品質の良さや、これまでに積み重ねてきた経験を読んだ方にも感じていただけるよう、駿河淡水様で所有されている写真を多く用いた構成としました。
お伝えしたい想いもたくさんあり全体的に文章量も多かったため、見開きごとに少しずつレイアウトに変化をつけながら最後まで飽きずに読み終え、駿河淡水様のことを知っていただくこと、新しいお取引きへと繋がっていくことを目指しながら、全体のデザインを仕上げています。
今回、最初にお送りいただいた原稿のページ構成からは、一部入れ替えをしながらまとめていきました。拝見した原稿を元に、このパンフレットからお伝えしたいことが、よりお取引先様へと届くような流れを作れるように検討しながら全体を整えていく作業も、とても楽しい時間でした。
細部に至るまで真摯に丁寧にご検討くださったおかげで完成することが出来たデザインだと感じております。パンフレット制作を通して、これまでの活動を振り返りながら、これから先の未来を思い描くための時間ともなっていたなら何よりです。