First Love 初恋

First Love 初恋

こんにちは、空間デザイナーのナカザワフミです。

Netflixオリジナルドラマの『First Love 初恋』を友人から熱烈にオススメしてもらい昨日観ましたので、その感想を書き留めておきたいと思います。ひとことで言うと、とても良い作品でした。

ストーリーの流れは、超純愛&王道のラブストーリーです。全編ラブストーリーな話よりも、冒険したり何かと戦ったりする系の話を観ることの多い私は、自分だけではまず選ばないだろう系統の作品です。

それでも最後まで一気に魅入ってしまった理由の1つは、切なさや儚さといった感情をとても美しくまとめてくれた映像や時代の切り替わり方の自然さのおかげかなと思います。
1990年代後半、2000年代、そして現在の3つの時代が交錯しながら、それぞれの登場人物の視点で切り替わりながらストーリーが展開していきます。その年代ごとに起こる気持ちの変化が上手に繋がっており、過去に経験したことやその時に感じた気持ちの積み重ねで今があることを感じながら観ていくことが出来ました。なんてことのない日常の一コマの切り取り方もとても美しく、物語のメインの舞台である北海道の各地を訪れてみたくもなりました。これが聖地巡礼ってやつですね。蜂屋のラーメン食べてみたい。

また、最初から最後まで色の使い方がとても印象的でした。それぞれの登場人物に割り当てられた色が、個々に登場したり、混ざり合ったりしながら、人柄やその時の心情を表現しており、日常の風景の映像と、色合いが統一された映像を場面ごとに使い分けながら、そこにいる人々の気持ちの変化を視覚的にわかりやすく表現されていました。

また、要所要所で流れる音楽も心地良いです。今回の物語が生まれるきっかけとなった宇多田ヒカルさんの曲を始め、優しく、心に染みる音色の音が多く感じました。登場人物の心の動きともリンクした曲が流れ、感情がグワッと持っていかれるので、ハンカチは多めに用意してから観ることをオススメします。

作中で個人的に心に残ったセリフは、航空学生時代の晴道の言葉『有事や災害がないのが本来望まれる状態です。護るために飛ぶ。無駄で済むんならそんな幸せなことはありません』と、タクシー会社の同僚・旺太郎の言葉『木簡(古代のメモ帳)が好きなのは、後世に残すことを目的としていないっていうところで。だからこそ、古の名もなき人の生の声が聴こえて来るっていうか…』の2つ。このチョイスからも、何でもない日常を今の自分は欲してるのかなと推測。
その他のセリフも飾らない言葉で紡がれたものが多く、登場人物全員が全員、何かしらの悩みを抱えながらも、自分に正直に、素直に、目の前の物事と向き合って生きている姿が印象的でした。全員かわいいんですよね、どこか。

最近はもりもりと演出された作品を観る機会が多かったですが、今回の『First Love 初恋』のような、手を伸ばしたらすぐ触れられそうな、自分の生活にも重ねられる身近な描写の作品は、観終わった後に深掘りして考えられることも多く、この余韻も心地良いなぁと感じました。身近過ぎて、感情はだいぶ持っていかれますが笑。

機会がありましたらハンカチを忘れずに、ぜひ観てみてください。


First Love 初恋

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